子育ての中でよく耳にする言葉に“基本的生活習慣”があります。これは生活習慣の基本的なことで、 『食事』『睡眠』『排せつ』『清潔』『着脱衣』など、健康・命につながるものです。
“基本的生活習慣”で皆さんが思い浮かべるものに、『食事』なら「好き嫌いなく、適量を上手に食べる ことができるようになること」。
『睡眠』なら「夜ふかしせずに早寝早起きができること」。そして『排せつ』なら「おもらしなく自分でトイレに行って排せつができるようになること」。『清潔』は「汚れた時や食事の前などに自分できちんと手洗いができること」。そして『着脱衣』は「自分でボタンもはめられて、脱ぎ着ができるようになること」が多いと思います。
そうですね。“基本的生活習慣”にはそのようなことも含まれています。そしてそれらは、ほんの一部です。“基本的生活習慣”は社会への適応であり、生きる術であり、健康に生きていくために必要なこと全てです。
“基本的生活習慣”はいつから始めるのでしょうか。
“基本的生活習慣”は生活そのものですので、生まれた時から始まっています。赤ちゃんは自分の力でおっぱいを飲み睡眠をとり排せつをしますが、生活のほとんどを大人に委ねています。信頼できる大人からの言葉がけや触れあいなど五感の共有、そして正しいお手本があって、日常の中で次第に自然に生活習慣が培われます。
“基本的生活習慣”で基盤となるものは、「生活リズム」です。
そして“基本的生活習慣”の育みに大切なものは養育者との信頼関係です。大人からの一方的な“しつけ”ではなく、信頼関係の中で子どもの持って いる力を引き出し、大切な個性を守りながら、豊かな生活習慣を育んでいきたいものです。
就学までに『食事』『睡眠』『排せつ』『清潔』『着脱衣』の大切さを知り基礎を身に付けること。快・不快、気持ちよい・気持ちわるいが分かり、それらを言葉で伝えられること。そして自分の健康につなげられることはとても大事です。
“基本的生活習慣”は幾つになっても見直したいもの。大人になっても関心を持ち続けていきたいテーマだと思っています。
次回から、“基本的生活習慣”の『食事』『睡眠』『排せつ』『清潔』『着脱衣』をひとつずつお話させて いただきます。