子どもにとって“遊び”は生活そのものです。遊ぶことは生きること。子どもは遊びを通して生きるための多くを学び、さまざまな力を獲得し伸ばしていきます。
子どもにとっては生活そのものである“遊び”ですが、保護者の方から相談や質問が多く寄せられるのも“遊び”です。「子どもを遊ばせるのが苦手」「どんな遊びをさせたらよいか分からない」「子どもとの関わり方や遊び方を知りたい」と。
そもそも“遊び”とは何でしょうか? 子どもにとって遊びとは楽しいこと。受け身ではなく、自発的、主体的なもの。遊びに目標や結果は求めません。遊びは、基本的には強制されない自由な目的のない活動です。子どもが楽しいと感じる活動でなければ“遊び”とは言えません。楽しいと子どもは繰り返し行います。繰り返し行うことにより新たな発見や学びを体得します。
主体的に遊びをするためには愛着の形成や遊べる環境が必要です。子どもは生まれてから概ね発達段階に沿って遊びも成長していきます。生まれてからの愛着形成期で、養育者は子どもの不快や快、泣きに合わせ、声掛けをしたり抱っこしたり、子守唄を口ずさんだり、からだに優しく触れたり撫でたりして子どもに関わり、安全基地をつくっていきます。次いで感覚遊び期は、メリーゴーランドやガラガラなどで聴覚や視覚、たかいたかいなどで平衡感覚その他の感覚刺激を楽しむ段階です。そして模倣遊び期は養育者のモノマネを楽しんで遊ぶ段階です。その後いろいろなごっこ遊びを楽しむ段階に入り、ルール遊びなどを楽しむことができるようになり、次第に相手に合わせて協調したりすることなども遊びの中で経験していきます。
令和になって特に「非認知能力」という言葉が身近で聞かれるようになりました。約20年前のある論文発表で、「非認知能力」の重要性が広く認知されるようになるきっかけになったようです。日本では2020年にスタートした新学習指導要領に「資質・能力の三つの柱」と非認知能力が大きく取り入れられたことで関心が高まりました。「認知能力」は読み書きや知能テストなど一般的に数値化できるものを指し、「非認知能力」とは意欲や楽観性、忍耐力や自制心、自信や思いやり、コミュニケーション力など、点数化が困難なこと、物事に対する姿勢や取り組み方、他者との関係構築など、日常生活や社会活動において重要な影響を及ぼす能力を指します。私たちが社会生活を営むうえで必要な能力のことですね。思考力・判断力・表現力は認知能力も非認知能力も欠かせません。このような力を子どもたちは遊びの中で獲得していきます。
生まれた時から側にいる養育者は、子どもの気持ちを理解し、子どもが何を楽しんでいるのかを知り、さまざまな遊びを子どもと一緒に楽しんでいきたいものです。
次回は「遊びと非認知能力」についてお話しさせていただきます。