子育て情報|絵本のめぐみ

防災の日にちなんで

2024.8.19

毎年9月1日は「防災の日」で、防災・減災に関するさまざまなイベントが各地で開催されています。 防災の日は1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんで制定されました。 また、例年8月31日~9月1日付近は、台風の襲来が多いとされる二百十日にあたることから「災害への備えを怠らないように」との戒めも込められています。

今年の8月8日(木)に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表しました。南海トラフ地震の被害は、四国や近畿、東海などの広域に及び、東日本大震災を大きく上回ると想定されています。

地震はいつ到来するか分かりません。日頃から地震に対する備えは必要です。気象庁のホームページには詳細な情報が掲載されています。いつか時間がある時に見よう、余裕ができたら準備をしよう!では間に合いません。家具を固定したり、家族で避難場所の確認をしたり、地域の避難訓練に参加したり、非常持ち出し品を準備点検したり、備えなければならないことは少なくありません。一日でも早く対応しておきたいものです。 

小さなお子さんがいるご家庭では、オムツや授乳用品など、お子さん用の持ち出し品も準備しておきましょう。お子さんと避難する時、お子さんは抱っこなのかおんぶなのか、どんなバンドを使うのかなども、避難経路とともに決めておきたいものです。飲料水や簡易トイレも必要ですが、あれもこれも詰め込んで、いざリュックを持ち上げると重くて背負えないということがよくあります。リュックは実際に背負って確認しておきましょう。

リュックは下に軽い物を、上に重い物を入れると重心が上がり安定します。リュックが下がると重く感じ、体に負担がかかって疲れます。あとチェストベルト等で、リュックが揺れないよう背中との隙間があかないように固定することで、体に感じる重みが軽減します。おんぶも同様で、子どもの顔がおぶっている大人の肩より上に出ている位置でおんぶ紐を使って固定することが大事です。チェストベルトはハンカチや紐、適度な長さのマジックテープでも代用できます。子ども達が使う遠足用リュックでもチェストベルトを使うととても安定します。

お子さんが園や小学校に通っていれば、そこでは毎月避難訓練を行っていますので、お子さんが何を習ったか、どんなことをしたかなど親子で共有しておくことでも意識が高まります。

地震のことや減災のことを考えたり準備をしたりしていると、何だか不安になるとおっしゃる方もいますが、家族間で避難場所などを共有したり、日頃から地域の方との交流や合同の避難訓練をすることで、不安は軽減されていくものです。

防災減災に関して、アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんのサイトがとても参考になります。私もあんどうさんの講演会に2度参加しました。とても具体的で分かりやすい内容のお話しです。URLを載せておきます。 【あんどうりす の ゆるっとアウトドア防災 】このサイトに『どうする 災害時の赤ちゃんの栄養』も紹介されています。お子さんをお持ちの方は必見です。母乳を飲ませている方もミルクを飲ませている方も是非ご覧ください。とても具体的に詳細に、科学的に書かれていて、災害や防災への関心が深まります。

災害での避難時、ストレスで母乳が止まるのでミルクをあげないといけなくなる、、、、、よくある誤解です。危機が迫った時、一時的に母乳を少なくするからだの仕組みはあるようですが、授乳する回数を減らさずに飲ませることで母乳は出ます。母乳は衛生的で湯も何も要りません。母乳で免疫物質を与えることもできます。また、母乳を押し出すホルモン“オキシトシン”の分泌で、母親と子どもの気持ちを落ち着かせる効果もあります。そのようなことも『どうする 災害時の赤ちゃんの栄養』に紹介されています。私自身そのサイトの内容に納得し、安心して読み進め、確信をもって保護者の方にお勧めしています。 災害や防災に関する絵本は多数出版されています。今回はその中から5冊ご紹介します。大人も一緒に学んでいきましょう。

【ぼうさい(一生つかえる!おまもりルールえほん)】山村武彦(監修), the rocket gold star(絵),学研プラス
「小さい子どもたちに、災害や防災・減災を教えるにはどうしたらいいのか」多くの保護者の方が悩んでいます。 体のことや心のこと、そして命の大切さを話しながら、分かりやすい絵やイラストとともに伝えられたらいいですね。 地震だけではなく、近年ひんぱんに発生する豪雨や台風などの災害が起きたとき、どのように命を守ればいいか、そのようなことを、35個の防災ルールで簡潔に紹介しています。 絵本感覚で楽しく教えられます。

【地震がおきたら】谷敏行(原案), 畑中弘子(文), かなざわまゆこ(絵) , 企画・協力/神戸市消防局   BL出版
地震がおきたら、どうしよう。もし、ひとりでいるときだったら?消防士さんはたすけてくれる?どんな時でも、どんな場所でも、子どもたちが、自分で自分のからだを守ることが大切です。 子どもたちにそのことをわかりやすく伝えたいという神戸市消防局職員の思いからうまれた防災絵本です。 巻末には防災の知識が載っています。

【はなちゃんの はやあるき はやあるき】宇部京子(作), 菅野博子(絵) , 岩崎書店
2011年3月11日、90名の小さな命を救ったのは「避難訓練」でした。「奇跡の脱出」をした岩手県野田村保育所をもとにした絵本です。 はなちゃんの通う保育園では、月に一度、避難訓練があります。 でも、のんびりやのはなちゃんは、いつもおくれてしまうので、はやあるきの練習をすることにしました。 そんなある日、とつぜんおおきな地震がおこったのです。じぶんでじぶんの命をまもることの大切さを伝えるお話。

【だるまちゃんとかまどんちゃん】加古里子(作・絵) , 福音館書店
「だるまちゃん」シリーズの最新刊です。今回のだるまちゃんのお相手は「かまどんちゃん」。 かまどんちゃんは、いつも隅っこのほうで草や花を使って、おいしいままごと料理を作ってくれる、静かな女の子です。 ある日、だるまちゃんが女の子たちとままごと遊びをしていると、どこからかこげたにおいがしてきました。見まわすと、近くの家からけむりが出ています。 だるまちゃんはかまどんちゃんと一緒に、火元を消そうと奮闘します。宮城に伝わるカマド神をモチーフに、東日本大震災と原発事故への警鐘の念を込めて作られたお話。

【津波からみんなをすくえ! ―ほんとうにあった「稲むらの火」―】クニ・トシロウ(作) ケイ・タロー(絵) 和歌山県教育委員会(企画/制作) 文渓堂
江戸末期、村が津波に襲われた時、稲むらに火をつけ避難場所の目印にして多くの人を救い、その後も私財を投じて堤防を作った浜口梧陵の半生を描いた絵本。彼の知識、行動力、誠実さに感動です。 地震や津波に関するQ&Aも参考になります。

 

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