子育て情報|絵本のめぐみ

赤ちゃん絵本の魅力

2023.12.22

「子どもにいつから絵本を読んであげればいいかなあ」、「どんな絵本がいいだろう」、「なめたり噛んだりするんじゃないかな、大丈夫?」など、わが子の絵本デビュー、いろいろと気になることでしょう。

子どもの脳の発達は、感覚に関わる領域がまず発達します。最初に、見る・聞く・ぬくもりを感じるといった感覚の領域が発達するため、愛着形成がとても大事になります。たくさん抱きしめて優しい語りかけをしていきたいものです。その後6か月くらいから母国語の発達が進み、その頃から読みきかせがいいと言われています。【子どもたちの健やかな脳発達のために~脳発達とデジタルメディアの影響~東北大学加齢医学研究所教授 瀧靖之氏の公開講座から】

赤ちゃんとはたっぷり触れあい、お父さんお母さんの優しい声を聞かせてあげましょう。生まれたばかりの子の視力は0.01前後でぼんやりと見えている状況です。次第に注視や追視ができるようになり視界も広がります。赤ちゃんの視覚は生後6か月頃までに急激に発達すると言われています。同時にさまざまなものに興味や関心がでてきます。

私は、抱っこしてぬくもりを感じながら、親の顔や絵を見て柔らかい声を聞く『愛着形成』の観点から、4か月頃からでも絵本を一緒に見てもいいと思っています。じっと見る子もいれば、関心を示さない子もいます。今日関心を示さなくても、明日関心を示すかもしれません。大人と同様、子どもの気分も日によって違います。

絵本は年間約2000冊出版されています。図書館やリアル書店、ネット書店でも、多くの絵本を目にします。たくさんありすぎて、何を選んだらよいか悩んでしまうことでしょう。そのような時にはまずロングセラー絵本を選ぶといいですね。「いない いない ばあ」「しろくまちゃんのほっとけーき」「ぐりとぐら」「はらぺこあおむし」などなど。これらはミリオンセラー絵本にもなっています。

ロングセラー絵本とは、30年以上読み継がれている絵本のことです。長く読み継がれている絵本は子どもたちに選ばれた絵本です。いくら大人が見ていい絵本だ、おもしろい絵本だと思っても、子どもたちがよい反応をしなければ長く読み継がれません。同じ絵本でも、子どもの年齢や発達によって捉え方や感じ方が変わるので、1冊を何度も楽しめるのが絵本の魅力とも言えます。

「ブックスタート赤ちゃん絵本」(30タイトル)というものがあります。これは3年に一度、独立した中立的な選考会議で選考していて、選書は赤ちゃんと絵本の関係について豊富な知識と経験を有する委員が行っています。『赤ちゃんと保護者が豊かな言葉を交わし、気持ちを通わせながら楽しい時間を過ごすことで、赤ちゃんの心健やかな成長を応援する絵本の内、年月を経て、赤ちゃんから支持され続けてきた絵本。そして今後、赤ちゃんから支持を受ける可能性が高い絵本』という選考基準で選ばれている絵本です。このようなものも参考にされるといいですね。

絵本は、赤ちゃん用にボードブックで出版されているものがあります。なめても安全な材質を使い、角が丸くなっているので安心です。赤ちゃん用で小型ですが、厚めで破れにくく作られています。

子どもたちにとって絵本は、言葉を学び、感性を磨き、表現力や創造力を高め、豊かな人格形成をもたらすものとしてとても大事なものです。愛され続けている絵本も参考に、保護者の方が心に響く絵本、自分に合う絵本を選ばれるといいですね。

子どもは、好きになった絵本やその場面を何度も見たがります。これはとても大事な感受性、豊かな感性です。お子さんに絵本を読んであげる時、子どもが絵に集中している時は子どもに合わせましょう。絵を見るのが絵本です。子どもは絵を見て豊かに想像をふくらませています。

穏やかで温かい絵本の空間に、せめて一時(いっとき)、親子でどっぷりゆったりと浸ってみませんか。

以下に、今秋決定した2024・2025・2026年度「ブックスタート 赤ちゃん絵本30冊」を紹介しました。
この中にはロングセラー絵本やミリオンセラー絵本も多数あります。

※2024・2025・2026年度「ブックスタート 赤ちゃん絵本30冊」(50音順・年は初版刊行年)
『あっぷっぷ』 文:中川ひろたか 絵:村上康成 ひかりのくに 2003年
『あぶくたった』 構成・絵:さいとうしのぶ ひさかたチャイルド 2009年
『いない いない ばあ』 文:松谷みよ子 絵:瀬川康男 童心社 1967年
『おせんべ やけたかな』 構成・文:こがようこ 絵:降矢なな 童心社 2018年
『おつきさまこんばんは』 作:林明子 福音館書店 1986年
『おやすみ』 作:中川李枝子 絵:山脇百合子 グランまま社 1986年
『かお かお どんなかお(ミニえほん)』 作:柳原良平 こぐま社 2015年
『がたん ごとん がたん ごとん』 作:安西水丸 福音館書店 1987年
『がちゃがちゃ どんどん』 作:元永定正 福音館書店 1990年
『ぎゅう ぎゅう ぎゅう』 文:おーなり由子 絵:はたこうしろう 講談社 2014年
『くだもの』 作:平山和子 福音館書店 1981年
『くっついた』 作・絵:三浦太郎 こぐま社 2005年
『しーっ』 作・絵:たしろちさと フレーベル館 2012年
『じゃあじゃあびりびり』 作・絵:まついのりこ 偕成社 1983年
『せん』 作・絵:あらいひろゆき 岩崎書店 2017年
『ぞうさん』 詩:まど・みちお 絵:にしまきかやこ こぐま社 2016年
『たっちだいすき』 文:聞かせ屋。けいたろう 絵:ひろかわさえこ アリス館 2018年
『だるまさんが』 作:かがくいひろし ブロンズ新社 2008年
『どんどこ ももんちゃん』 作・絵:とよたかずひこ 童心社 2001年
『なーんだ なんだ』 作:カズコG・ストーン 童心社 2004年
『のりもの つみき』 作:よねづゆうすけ  講談社 2011年
『バナナです』 作:川端誠 文化出版局 1984年
『はらぺこ あおむし(ボードブック)』 作:エリック・カール 訳:もりひさし 偕成社 1997年
『ぴょーん』 作・絵:まつおかたつひで ポプラ社 2000年
『ぺんぎんたいそう』 作:齋藤槙 福音館書店 2016年
『ぽんぽんポコポコ』 作・絵:長谷川義史 金の星社 2007年
『まる さんかく ぞう』 作:及川賢治・竹内繭子 文溪堂 2008年
『まる まる』 作:中辻󠄀悦子 福音館書店 1998年
『やさいさん』 作:tupera tupera Gakken 2010年
『よしよし』 作:三浦太郎 講談社 2008年

 
 

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