着脱の基本的生活習慣、それは自分で脱ぎ着ができること。TPO(時と場所と場合)に合わせた衣服選び、そして自分の体調に合った着衣ができるようになることです。
脱衣の要求は1歳頃からで、衣服をひとりで脱ごうとする標準年齢は2歳頃。着衣の意欲は2歳頃からで、衣服をひとりで着ようとする標準年齢は2歳半頃。着脱衣の完全自立は4歳頃です。細かな動作を必要とする袖口のボタンかけや花結びなどは7歳以降に自立すると言われています。(「基本的生活習慣の発達基準に関する研究」より 2021年 (株)一藝社)
脱ぎ着の頻度が多いパンツの着脱は何歳くらいでしょう。同じ研究で、いつも自分でパンツを脱ぐ割合は1歳6か月~1歳11か月で18%、3歳0か月~3歳5か月で73%。いつも自分でパンツをはく割合は2歳6か月~2歳11か月で50%、3歳6か月~3歳11か月で87%となっています。排尿自立の割合が3歳6か月~3歳11か月で80%ですので、4歳くらいまでには大半の子が、パンツを脱いで排尿をすませてパンツをはくといった一連の流れが自立するようです。
着脱ができるようになるためには、粗大運動の発達から微細運動の指尖つまみ、そして肩関節から指の関節までを組み合わせた自在な動きや手首を回す動作などが必要です。ボタンをとめたりヒモを結んだりするためには手指の巧緻性が大事になってきます。体の大きな動き、手指の細かな動きは、さまざまな遊びで培われます。
着脱は真似したり、工夫したり、くり返しの試行錯誤でできるようになります。子どもによって年齢や月齢の差はありますが、子どもの「やりたい!」が見えたときにさせてあげるといいですね。自分でやってできた達成感、この喜びがあるからこそ、うまくできずかんしゃくを起こしそうになっても、子どもたちは何度もくり返しチャレンジします。最後までできなくても途中ひとつひとつの「できた!」を一緒に喜び合いましょう。
生活習慣の基本的なことは幼児期に身につけておきたいもの。このような習慣は大きくなったら自然にできるようになるというものではありません。 それは毎日のくり返しで、生まれたときから身近にいる親を手本にして育まれます。子どもは親の行動をしっかり見ています。大好きな親のことだからよく見るし、大好きな親がすることなので真似をしたくなるのです。
着脱では、衣服で大事な体を守ることも伝えていきましょう。
“基本的生活習慣”は生きていくために必要であり、社会の中で生活するために大事なこと。まさに生きる力です。幾つになっても関心を持ち続けていきたいテーマです。